チャップリンと木の下で いつか語り合いたい、来世あたりに。
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サマリア  ☆☆☆☆☆
2007-10-31 Wed 13:09




キム・ギドク監督作品2作目鑑賞。

ヨジンとチェヨン。仲のいい2人はヨーロッパに行くために、援助交際をしている。
それはチェヨンがモーテルで男たちと会い、その間ヨジンは見張りとお金の管理をするというもの。チェヨンは援助交際をいつも笑顔でこなし、ヨジンはそれが理解できない。2人はいつも銭湯でお互いの体を洗い合っていた。ある日モーテルの中でチェヨンが警察に見つかる。そしてその瞬間、チェヨンは笑顔で窓から飛び降りた。チェヨンの死をきっかけに、ヨジンはチェヨンが稼いだお金をチェヨンの寝た相手と会い、行為の後お金返すという行為を繰り返す。そこからヨジンと父親が運命が激変してゆく・・・

正体の分からないモヤモヤしたものがうずまいている。
答えらしきものはこの映画には何もないのかもしれないし、それでいいのかもしれないけれど、なんとも言葉に表しようのないこの感じ(笑)不穏な気持ち・・・。

『春夏秋冬そして春』もそうだけど、キム・ギドク作品は、人の心の中のどうあがいても抗えない愚かな部分が衝動的に引き起こしてしまう行動が激しくてリアル。人間という生き物がこの地に現れた時から心の奥底に持ってしまっていた悪(原罪?)のようなもの。
ヨジンの父親が娘の援助交際を知ってしまった後の行動は、まさにそれに動かされた行動のように見えた。そして、いつも天使のように微笑みながら援助交際し、嬉しそうに窓から飛び降りるチェヨンは、まるでそれとは対照的な存在として見ることもできる気がする。

ラストの父が娘に車の運転を教えるシーンは、痛い。
一人残してしまうことになるであろう娘へ、一人でも生きていけることを願いながらのつぐないだったのだろうか。何も言葉で伝えられない父親の不器用な愛情だったのだろうか。

輪廻転生やカルマなど、仏教的な思想、要素を含む作品。
痛くて厳しい目を持っているけれど、優しい。
目を背けたくなるような醜い部分を観せつつも、最後には一筋の希望というか、救いがぼんやり見えるところが好きです。


どこか神話的な感じを受けた作品でした。




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春夏秋冬そして春  ☆☆☆☆☆
2007-10-23 Tue 20:26




・・・やられたっ。

エンドロールに切り替わった瞬間思いました(笑)


四季を通して、また四季と重ねて、ある男の人生を描いた物語。
水面にぽつんと浮かぶ寺での和尚と幼児が暮らしている春から物語は始まる。
幼児は春に命を学び、青年は夏に恋を知る。そして秋に愚かさを知り、冬には壮年期にして悟る。そしてまた春・・・

全体を通してセリフも少なく、ただただ美しい風景の中に自然とともに生きる人間の絵がある。
人間自体も無理にキレイでもなく、汚くもなくそのまま描かれているように思えた。
淡々と時が流れていくけれど、それでもずっと眺めていられるような・・・気持ち悪いのに気持ちがいいような、そんなおかしな不思議な感覚を覚える。

キム・ギドク監督が長いあいだ国とかけあった末、許可が下りて撮影したといわれる文化遺産の風景はほんとに美しい。その静かでどこか幻想的な絵画のような風景が、この物語に描かれた人間がそもそも背負っている罪というか業のようなものを、より色濃く映し出している気がした。

人間は、生まれてくるたびに間違いをいくつも犯し、そのたびに自分の罪深さを知り何かを悟っていくのだろうか。それを何度も繰り返した先に人は何を見るのだろうか・・・とかそんなことがぐるぐる頭をかけめぐりました。


間違いなく、私の持っている価値観や色んなものに新しい刺激を与えてくれた作品。



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ジョゼと虎と魚たち   ☆☆☆☆
2007-10-21 Sun 19:39




一瞬だけパチパチってなる線香花火のような恋でした。
真っ暗な闇の中で小さなオレンジの玉が放つ一瞬の輝き。

身障者であるがために「こわれもの」と言われ、存在さえ隠され続けてきたジョゼと、普通の大学生の恒夫。
この恋が永遠でないことをジョゼは最初から分かっていた。でも純粋に恒夫が好きだった。
恒夫はまっすぐだった。世間体やいろんなしがらみを越えてジョゼと一緒に居ようとしていた。
若さゆえにできたことかもしれないけれど、ちゃんとジョゼのことが好きだった。

二人が永遠でなかったのは、永遠でないほうがよかったからかもしれない。
こんなにまぶしいくらいにお互いが純粋でいれた、それだけでものすごく幸せかもしれない。
恒夫は自分で負けたと言っていたけれど、ただ自分が居るべきところに戻ったというように見えたし、一緒にいれなくなるなら出逢わなければよかったとジョゼが思っているわけはないと思うから。

確かに切なくはあるけれど、二人が出逢えたことを純粋に嬉しく思えた。

素敵な映画でした。








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虚無への供物
2007-10-19 Fri 15:24




小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、夢野久作『ドグラ・マグラ』と共に日本の「三大奇書」の中のひとつに挙げられている中井英夫の『虚無への供物』

アンチミステリーという言葉に好奇心を刺激されて、手にとってみた一冊。
妖美な幻想的世界観の虜になり悠々と読んでると、最後に一気に現実と非現実をひっくり返されました。
「本格物最後の墓碑銘」とまで絶賛される本作は、ミステリとか小説とかそういうカテゴリを越えて、自分自身の存在とか価値観とかをすべて震撼させるものすごいものが込められているような気がして恐ろしくもあった。ホントにある意味怖い。

だって・・・いきなりこっちを見て語りかけてくるんだもん(笑)


~あらすじ~
昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。密室状態の風呂場で紅司が死んだ。そして叔父の橙二郎もガスで絶命。事故か事件か?
駆け出し歌手・奈々村久生らの推理合戦が始まった。
そんな推理合戦をあざ笑うかのように、推理すればするほどどこまでも深まる謎。
妖しい光に彩られた4つの密室殺人は終章の悲劇の完成と共に、現実と非現実の倒錯する闇の世界へ読者を導く・・・


アンチミステリーとはいうものの、本格的推理小説的な謎解きも十分味わえるような気がするのですが、ただ・・・その本格推理小説的な部分はあまりに衝撃的なラストのための前座に過ぎないのでしょうか。前座というよりは、読み手に対する挑発というか愚かしさを知らしめるための道具に過ぎなかったのでしょうか・・・。

ラストの「独白」で物語の真実が明らかになるものの、読み手である私の中の真実は一気に揺るがされ、困惑し、すべてのものの常識と非常識の境界線が分からなくなった。
そのときはもう本を読んでいる感覚ではなく、ただただ突きつけられた疑問に答えることもできず放心状態(笑)なんなんだこれは!!!


こんな感覚になったのは初めてでした。
ただ、けっこう昔に書かれた本で独特の文体なため、読みやすいとは言えない&好き嫌いが激しく分かれる本だと思われます。


私の中では・・・いまだ、この本の衝撃を超えるものなし。


















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オーデュボンの祈り
2007-10-13 Sat 16:31




伊坂幸太郎にハマるきっかけになった一冊。
何か最近のオススメの小説はと言われたらこれをオススメする。


コンビニ強盗に失敗した主人公は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。その島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し未来を予知するというカカシ「優午」だった。
しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか?

・・・とあらすじはこんな感じだけど、短い文章ではなかなか表せない。
正直、あらすじでは全く分からないというか伝わらない面白さがあると思う。

この物語にはしゃべるカカシ、嘘つきの画家、体重300キロのウサギさん、島の規律として殺人を繰り返す男「桜」、天気を予測する猫・・・こんな現実離れした滑稽で奇妙な登場人物ばかりが次々と登場する。でもただのファンタジックな物語ではなく、妙にリアリティがある。
これらの登場人物の感情がやたらリアルに読み手に伝わってくる。
まるで自分がこの荻島にいて、そこの人々に出逢ったような妙な親近感があったり、島自体が抱える大きな悲しみの中に自分もいるような不穏な感覚があったり。

物語に登場する人々の一言ひとことにもハッとさせられる。
普段、私たちが分かっていながらも気付かないフリをしてどこかに押し込んでいる感情や、人に対する口にはなかなかしにくい切実な想いをさらっと示してくれていたりする。
何が真実かよくわからなくなる現実に対しての不安を、この本は分かってくれているような気にさえなってしまいました(笑)

ファンタジックな設定の中で人間のダークサイドを描きながらも、最後には人間が好きでいられるというか、あたたかいものもちゃんと置いていってくれる。絶望と希望をあわせ持ったものとして鮮やかに描かれている気がします。


・・・この島にたったひとつ足りないものって?


そんな最大の謎が紐解かれた時の爽快感も、またこの本の魅力のひとつです。





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僕は妹に恋をする  ☆☆☆
2007-10-09 Tue 13:12



前から少し気になっていて、ようやく観れました。

某サイトのレビューを見ると、ほとんどが酷評だったので期待はせずにって感じだったけれど、けっこう2時間見入ってしまいました。起こった出来事というよりは、兄妹の感情面に焦点をあてて撮っている感じなところが好きだったかな。

とにかく・・・観ていて終始苦しかった・・・
兄妹の叶わぬ恋。兄妹という関係で生まれてきた宿命を悔やむしかないのか。
とうてい周りには理解されない想いだから、2人が見つめ合い笑い合ってる姿がより辛い。
どうかこれが、若さゆえの思い込みならいいのに・・・と願わずにはいられなかった。

確かに、マンガが原作だからかどうかは分からないけど、リアリティに欠ける箇所はたくさんあった(笑)
でも、兄の松本潤も妹の栄倉奈々ちゃんもかなりぴったりで好演だったと思う。
マツジュンがあんなにナチュラルで繊細な雰囲気を出せるなんて・・・!!!
栄倉奈々ちゃんも表情のひとつひとつが本当にかわいい。

私は役者さんを見る時に、どの人がどこまで上手いとかは、あまりにヒドイ人以外は正直あまり分からないんです。その人から出る雰囲気というか空気みたいなものに惹きつけられることが多いんだろうなと思う。
そういう意味で2人はすごくいい感じだったなぁ。
映画全体の絵も空気感も間も、私的にはとても心地良かった。

けっこう重いテーマでしかも原作が人気コミックなだけに、かなり賛否両論のある映画だとは思う。しかもわりと淡々とした展開なので、ダメな人にはダメかなと。

とにかく・・・マツジュンイイ♪


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天使の卵   ☆☆
2007-10-05 Fri 15:40




久々にラヴストーリーを観てみました。
人気の小説家さんの本の映画化というので手に取った一本。

好きになった人は、付き合ってる彼女のお姉さんだった!という感じのお話。
映像は全体的に光と影を上手く使った感じでキレイだったのですが、やっぱりそれだけでは本当の切なさ的なものは出ないんだなと思った。なんだろう・・・脚本か役者か演出か?それとも全部??なんか、みんなでひとつになった感みたいなものを感じなかったのはナゼでしょう。

姉妹役の小西真奈美、沢尻エリカ2人ともキレイで視覚的に心地いいのだけれど、哀しい場面でもなぜか切なさをあまり感じない。全部「それなり」という感じがした。色々と求めすぎなのでしょうか(笑)
映画という制約の中なので、小説をまとめるには難しかったのかな。
いやいや、でももっと視覚的だけじゃなく、中身も濃くしっかり描くことはできたはずだ。

でも個人的に小西真奈美と市原隼人は好きなので、終始退屈ということはなかったかな。
特にコニタンの横顔はすごくキレイで見とれてしまった・・・・☆
最近話題のエリカ様も出てたね。実はこの映画で出演作初めて見ました。
で、技術があって上手い役者さんと、いいなあと思う役者さんはやっぱ違うんだなあと思ったな。
確かに若いのに演技は上手なんだろう・・・。

原作読んでみたいかも!







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ライアー  ☆☆
2007-10-01 Mon 16:27



体を半分に切られた娼婦の死体が発見された。
容疑者として挙がったのは金持の息子ウェイランド。彼はある病気で、発作が起きると何を仕出かすか分からない男だった。証拠は遺体のポケットに入った電話番号のメモだけ。警察はウェイランドを嘘発見器にかけて検査するのが、二度、三度と繰り返しても病気治療用の薬を飲んでいるウェイランドの検査結果は、いま一つ当てにならない。はたして彼は犯人なのか…。それとも真犯人は別にいるのか?嘘発見器をめぐる容疑者と刑事の虚々実々の駆け引きを描いた、ティム・ロス主演のサスペンス・ミステリー。

・・・なのですが、真相が謎過ぎる。

嘘をついてるのは誰?
みんなライアー??
どこからどこまでが現実??
結局殺人犯は誰なの???

色んな場面が交錯してて、最後まで観てる人に謎を投げて投げて終わる。

真相なんてないのかも知れないけど、誰か自分なりの真実にたどりついた人がいれば、どうかどうか教えてください(笑)なんか気になって気になって・・・(泣)

わかんねーー!!


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