
アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』。
この映画がなかったら、サイコ・スリラーというジャンルはなかったのでは・・・?
とまで言われ、ヒッチコックの代表作で最高傑作との評価が高い作品。
物語全体に、ただならぬ緊張感がある。
何も起こらないでほしいと必死に願いながらも、何か起こるのを期待してしまう。
物語の中の人物に危険を伝えたくて仕方なくなる、口出ししたくなる。
音響、役者、演出などのすべてが醸し出す恐怖感は半端ない。
有名な殺人シーンにしても、血が流れていく排水溝のカットがあんなに気味悪く恐ろしいなんて・・・。
最初はただのサスペンスとして観ていた。
緊張感たっぷりのサスペンスの結末が気になる、そんな感じで観ていました。
もちろん驚きの結末は用意されていて、期待通り「そうだったんだ〜!」的な感覚も味わえました。
でも、エンドロールに入った時にふと思いだした。
あの時・・・あのシーンで私がなぜか笑ってしまっていたこと。
そして、意外な真相に、犯人の「狂気」に興味を示し恐怖感を抱きながらも、どこかただの1つのフィクションとして眺めていた自分を。
以前、ある1冊の本を読んだ時にも感じた自分の中にもちゃんとある無意識の病のようなもの。
ヒッチコックが見せたかったのって・・・これ?
最初主人公だと思っていた人物は途中であっけなく殺され、観ている側としては戸惑う。
その人中心の物語だと信じて観ていたのに、ポンとその世界から放り出されたような気になり、そしてすぐにまた新しい謎が提示される。
終始翻弄されっぱなしでした。