
「家がお終いになっちゃう前に、お兄ちゃんに出て行ってもらおうよ・・・。」
バランスがとれていた。
そう、10年前に出て行った兄が帰ってくるまでは・・・。
みんな少しづつ歪みながらも、お互いのそれに気付くことなく、違和感を感じたところでそれを無理やりパズルのようにあわせて表面には噴出しないように何かを押し込んできた。そんな平凡で平和そうな家族の絵があった。
家族の一人の死をきっかけに、その絵が、そのパズルがバラバラと恐ろしいほどきれいに崩れていく。
『ゆれる』の西川美和監督の作品なので、じっとりリアルな空気感が漂っているだろうとは予測していたけれど、想像以上の胸焼けのような不快感を感じてしまってました。息づかいがリアルに聞こえてきそうな、観たくないものを観てしまったような変な感覚に終始陥ってしまう。
嘘だと思っていたことが真実で
真実に見えるものが嘘で
もしかすると、今生きてるこの世界自体そうなのかもしれないけれど。
嘘つきの兄と、嘘が嫌いな実直な妹。
そんな対照的な兄妹の間にある根深いもののそもそもの始まり・・・それは「蛇イチゴ」
観る側に委ねられた真実は・・・どっち??